壱・準備

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陽飛に連れてこられたのは、白くて大きすぎる城。 日本死神支部というらしいく、三つの塔が中心部を囲うように立っている。 なんでも、下級中級上級の三つに別れているらしい。 今、蓮がいるのは下級の塔にある準備室。 机に置かれた服と睨めっこをしていた。 黒に赤のラインが入ったコートと黒いズボン、白いYシャツに黒いネクタイ。 コートには白と赤の二色の腕章が付けてある。 赤で逆十字架が描かれていた。 「これ制服な」 陽飛はゆったり椅子に座りながら、服を指差した。 コートを持ってみる。 太股辺りまである長さだ。 「なんだか、見た限りサイズがぴったりみたいなんですけど…」 「当たり前だ」 「そーなんだけど……何で俺のサイズ知ってんの?」 「さぁな」 しれっとした態度で流された。 「さっさと、……!!」 いきなり陽飛が押し黙った。 「……陽飛…さん?」 「蓮…暫く席外す。帰ってくるまでに着替えておけっ」 と言って、陽飛は慌てて出ていった。 「……?」 変なの。
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