2605人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁ、知ってる。俺読んだ事無いんだよなぁ…」
「そう…なんですか?…これ、けっこう面白いですよ…?」
「へぇ…瑞樹がそう言うなら、読んでみようかな」
そう告げるとひょこ、と横から顔を覗かせてページを盗み見る。
レイ先輩はニ、三行読んでから相変わらず見えない目元に手を伸ばし、軽く擦った。
「…どうしたんですか?」
「いや、今日コンタクトつけるの忘れててさ…ちょっと目が、ね」
苦笑いを浮かべるレイ先輩を見ていると、僕にしては珍しくいいアイデアが浮かんだ。
そのままで居て下さいね、と念を押してから立ち上がり、絵本のコーナーに向かい一冊本を手に取る。
最初のコメントを投稿しよう!