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「あぁ、知ってる。俺読んだ事無いんだよなぁ…」 「そう…なんですか?…これ、けっこう面白いですよ…?」 「へぇ…瑞樹がそう言うなら、読んでみようかな」 そう告げるとひょこ、と横から顔を覗かせてページを盗み見る。 レイ先輩はニ、三行読んでから相変わらず見えない目元に手を伸ばし、軽く擦った。 「…どうしたんですか?」 「いや、今日コンタクトつけるの忘れててさ…ちょっと目が、ね」 苦笑いを浮かべるレイ先輩を見ていると、僕にしては珍しくいいアイデアが浮かんだ。 そのままで居て下さいね、と念を押してから立ち上がり、絵本のコーナーに向かい一冊本を手に取る。
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