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それを胸に抱いたまま再び椅子に腰掛け、隣に座るレイ先輩に笑い掛けた。
「あの…良かったら、僕が…読んで差し上げますけど……如何ですか…?」
レイ先輩はそのままの体勢でポカンとしていた(はず)が、直ぐに雰囲気を柔らかくして頷き、椅子ごと僕の方を向いた。
「……うん、是非。ちなみに何の話?」
「手ぶくろを買いに、です」
「あぁ、確か狐の?うん、じゃあお願いします、瑞樹センセ」
軽口を叩くレイ先輩に苦笑いを浮かべながらも、僕はゆっくりとページを捲り絵本の読み聞かせを始めた。
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