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昭平は本をめくる。どうやらこの本は日記のようだ。
そして横にひかれたノートの線にそって、びっしりと隙間なく書かれている字は、達筆だった。
俊博アンチャンを思い出す、と昭平は思った。
昭平はさっそく、ページに目を通した。
『……月……日
今日も朝早くから、炭坑に向かう。正直疲れがたまりすぎて、最近寝れない。
体は限界を訴えているが、行かない訳にはいかない。
私には家族がいる。妻と、お腹の子供のためにも稼がなければ。』
『……月……日
今日、上から現場の責任者になってくれと頼まれた。
それで少しでも妻と子供の金を稼げるなら、私はなんでもやって見せよう。』
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