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「これは……。」昭平は記事をまじまじと見つめる。
《再び落盤事故。第二炭鉱で死者十二人。原因は現場責任者の注意不足か。》
――日付はっ!?
《1910年8月12日》
――この事故は、明治時代の話だな。
しかし……。
昭平は日記を再び見る。
――この日記が止まっているのは、この事故で山葉四郎が死んだから?
ならば、あの血文字も現場で落盤に巻き込まれた四郎が――痛みかもしれない、或は自分のせいで関係者が亡くなった事による間接的ながらも、殺人をしたという事実から逃れたいからかもしれない――最期に遺した言葉だといえば、話しとしてはおかしくない。
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