さよならを決めた夏

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まだじりじりと痛い日差しを残しながら 少し、涼しい風が吹くようになってきた。 また、季節が廻(めぐ)ってゆく。 ーーーーさよならを決めた夏ーーーー 「よう、ゆきひろ」 まだ真新しい制服が眩しかった、中学1年の夏。 学校帰りの僕は 聞き慣れた声に振り向いた。 「アキト…!」 じわりと汗ばんだ首もとが、鬱陶しく髪を寄せる。 都会に住む従兄弟が、今年の夏もやって来た。
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