第一部 2

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やっぱダメかな? 諦めようと口を開きかけた時。 「いいだろう。お前が約束を果たす事ができたら、悠貴をやると約束する」 一度口にした事は、例え契約書を交わさなくても、この爺は反古にはしない。 ならば後は、手に入れるために努力するだけだ。 それからの俺は、学校に行きながら親父の経営の仕方に口を挟み、とにかく使えるコネを利用したりと、かなりの無理をやらかした。 それから2年後には、社長に就任した。 俺の就任については、かなりの反発があった。 まぁ、当然だな。 無茶な経営に、無能な人材の整理。 株主の解雇とか色々した。 だけどそのおかげで、一条寺は相沢との合併を免れたんだ。 感謝してもらいたいわけじゃない。 俺は、俺の望むモノの為に結果を残しただけだ。 会社や社員のためじゃないんだから。 俺が社長に就任して3年。 ようやく、相沢と肩を並べるだけの企業に成長した。
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