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料理の味は、予想していた通り何の問題もない。
盛り付けも。
「美味しいですね」
「そうだな。これなら問題はないだろう。だけど悪かったな、金曜日だっていうのに付き合わせて」
「構いませんよ。どうせ凱は仕事でいませんから。それに、こんな時でもなければ、なかなかフルコースを食べる機会がありませんし」
「東堂は連れて行ってくれないのか?」
東堂は、高校時代の同級生で、俺の秘書の恋人だ。 フルネームは、東堂凱。
「そんなヒマはありませんよ。凱は仕事人間ですから」
「恋人より仕事か。まぁ、アイツらしいけど。和実は淋しくないのか?」
余計なお世話だろうと思うが、好奇心に負けて、いらない事まで聞いてしまう。
「5年も一緒に生活していれば、慣れるものですよ」
そんなもんかな。
まぁ、恋愛なんか人それぞれだし、本人がいいって言うなら、首を突っ込む事じゃない。
「それにしても、鵜飼さんのお連れの方、男性と女性どちらなんでしょう。凄くお綺麗な顔立ちをされてますけど」
鵜飼の居るテーブルに視線をむけながら、和実が俺に尋ねてくる。
「そう言う和実だって、どっちか分からん顔立ちだぞ」
他人の連れの美醜など、俺にとっては、興味の対象にもならない。
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