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数日が過ぎて、僕は浩司の家にゆーかを連れて遊びに行った
マンションの入り口には中の住人が開けるまでけして開かない自動ドアがあって
その脇には1~9までのボタンとOKと書かれたボタンがあった
僕はそのボタンに浩司の部屋の番号、「351」を押して、「OK」のボタンを押す
すると、「ピーンポーン」と言うチャイムが鳴った後、2、3秒で浩司ではない女の人の声が聞こえた
「はい?どちら様でしょうか?」
僕はお母さんかなと思った
「こんにちは。僕は浩司君の友達の霧崎 京介と言います。今日、浩司君と遊ぶ約束をしたんですが……」
「ああ!あなたが京介君ね!浩司から話は常々聞いてます。今開けますんで、上がって来て下さい」
「わかりました」
お母さんはとても丁寧で、優しそうな口調だった
ゆーかとエレベーターで三階に上がって、浩司の家のチャイムを鳴らした
すると、笑いながら浩司が出てきた
「よう!いらっしゃい。おっ!君がゆーかちゃん?可愛いね~。」
ゆーかはいつもお兄ちゃんがお世話になってますと言って一礼し、にっこり笑った
浩司は、いえいえ、こちらこそ。と返した
「ま、あがりなよ」
「うん」
浩司の家は、玄関を入ったらすぐまっすぐな廊下あって、その両端にいくつか部屋がある。廊下を一番奥まで行くとリビングがあった
リビングに入ると、見慣れた顔があった
「やっほー!京介。」
「こんにちは。京介君」
そこには、亜沙子と作苗がいた
「な、なんで居るの!?」
「なんでって…。言ってなかったっけ?俺達毎週日曜に集まってるんだよ。」
「し、知らなかったよ!」
「なぁに~?私達が居たら何か不具合でも?」
「い、いや、ビックリしただけだよ。」
僕はあわてて弁解する。
すると、グイグイとゆーかが僕の服を引っ張る
「ねぇ、この人達誰?」
「ああ、言っただろ?男1人と女2人って。その女2人だよ」
ゆーかは、そっか。と言うと、さっき浩司に言ったようにいつもお兄ちゃんがお世話になっておりますと言った
「あ!その子がいつも言ってる妹さん?かっわいいね~。いくつだっけ?」
「11才です。今年で12才になります」
「へぇー!敬語も使えて偉いねー。でも、私達にはタメ口でいいよ。いつもお兄ちゃんに言ってるような喋り方で。」
と、亜沙子は親指を立ててこちらに見せた
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