楽しかった日々

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浩司はその2人に近付いて行く。僕もそれについて行った 僕達が近付くと2人は立ち上がった 「遅いじゃん!待ちくたびれたよ!」 2人のうちの1人がさっきから口煩く浩司に文句をたれている 「ごめんごめん。コイツを連れて来るのに、少し遅れたんだ」 浩司が親指を立てて女の子の方を向きながら、後ろの僕を指差す 「コイツって……この子誰?私見たことないけど…」 女の子が僕を注意深く見た 「コイツは、昨日話してた転校生だ。良いヤツだぜ?」 浩司は少し得意気に話していた。 「へぇー。この子がそうなんだ」 僕が珍しいのか、女の子は僕をジロジロ観察していた。 僕はどうして良いのかわからずオドオドしていた。 すると、さっきから黙っていたもう1人の女の子が口を開いた 「もう、亜沙子ったら…。やめてあげなよ。転校生君がオドオドしてるよ?」 「え?あぁ、ごめん。ちょっといつもの癖が…あはははは……」 そう言うと僕から目線をそらし、浩司にむけて話し始めた。 「ごめんなさいね。普段は明るくて元気な子なんだけど、スイッチが入るとちょっとおかしくなるの」 「へ、へぇー。そうなんだ。」 「ちょっと、ちょっと!聞き捨てならないわね~。私のどこがおかしいのよ!」 亜沙子と呼ばれた女の子がつっかかって来た。 それを無視すると、もう1人の女の子は自己紹介を始めた 「あ、申し遅れたわね。私は芳村 作苗(よしむら さなえ)よ。よろしくね」 「あっ、僕は霧崎 京介。よろしく芳村さん」 「作苗で良いわよ?『さん』なんてつけると、なんだかよそよそしいから」 「いや、流石に下の名前は……」 「いいじゃない?私、そういうのあまり気にしないわよ?」 「うん……わかったよ。えーと……作苗」 「うん!素直でよろしい」 作苗は少しおどけて言った 作苗は少しおっとりしていて、落ち着いた雰囲気の女の子だった 髪はロングで黒い 顔はいかにも日本人!と言う顔で可愛いと言うより、美しいと言う顔だった こういうのをなんて言うんだっけ…そうだ。『やまとなでしこ』だ。
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