心から羽ばたける日まで…VOL・1

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1977・8・16。大阪のとある産婆さんにて元気な産声をあげた まるで白雪姫の様に色白な女の子。父、母はそれはそれは喜び大切に大事に育ててくれた。 翌年 年子の妹が同じく元気に産声をあげて 誕生した。忙しさの中で其れでも愛されていた記憶がある。 3年後 弟一号誕生。初めての男の子誕生。 3人兄弟。 長女としてこの世に生を受けた 心羽。 この頃から少し変わっていたみたい。 それは両親の撮ってくれたビデオに残されていた。 ある日の団地の公園前で母は撮影をしながら言う。『よーい!ドン!』 3人兄弟は走り出す。 心羽はいきなり半回転して後ろへ走り出す。 何でなんだか…。多分この頃から天ボケの花は立派に咲いていたんだと思う。しかも華麗にご立派に…… ほのぼの家族。何処にでも在る普通の家族だった そんな幸せ家族はいきなり音をたてて壊れてしまった。ガラガラとでも無くドーン!でも無く、とてつもなく怖い音で。 父の浮気。母の親友とである。母は、泣くこともせず、こっそり荷物を詰めて祖父母の家へと3人兄弟を連れ、出て行った。そして初めて涙を流し当時3年生になっていた心羽に言った。 『お母さん離婚した方がいいのかな。』 母の疲れた涙を眼の当たりにして心羽は、静かに母に告げる。 『離婚していいよ。我慢しなくていいよ。』 父と母は離婚した。 父に会いたかった。 でもそんな事口に出来ない。妹や弟の為に。 そして母への思いから。この頃から心羽は長女として 影の支配者の如く母を支えていた。 長女の務め。しっかりしなければ。自分に言い聞かせて。 4年生になってすぐ転校した。お金がなくキャベツ味噌汁の時もあった。おにぎりだけの日も。 でも3人兄弟は文句は言わない。昼はパート、夜はスナックで仕事をしていた母へのせめてもの感謝だから。 その頃の悩みはいじめ。心羽は学校でいじめられていたのだ。靴がない。かばんが汚れている。 バイキン扱い… そして釘付き板で目を殴られた事。 担任は言いました。 いじめられてるほうにも原因はあります。 母はおこっていた。。 其れはそうだろう。 お金はなくても服や分 文房具とか服にはきをつかっていてくれた。 結局いじめは中1の夏まで続いた。元々は本が大好きで 。いわゆる 文学少女。卒業式の日。紺な黒で着飾った卒業生の中、赤い服を着た心羽。初めての学校への反抗。いじめへの反抗。
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