ありがとう…

2/5
前へ
/678ページ
次へ
「…本当に行くんだな?」 「…うん。 お母さんとお父さんが、もう一度やり直そうって言ってくれたから」 森沢飛鳥の言葉に、長谷川瑠菜が寂しそうに微笑んだ。 瑠菜は数日で病院を退院した。――だが、学校は止めてしまった。 その理由が今言った通り。瑠菜の両親が瑠菜に「もう一度やり直そう」と言って来たのだ。…親戚の家に引っ越すらしい。 あれから、栞と健太郎も学校を止めた。 栞も転校してしまったのだ。何処に転校したかは知らないが、彼女ならもう大丈夫に違いない。 あの日。瑠菜と抱き合って泣いた栞の涙は、嘘の涙なんかじゃ無かったから。 逆に健太郎の方は墜ちていくだけだった。 学校を止めてからはドラッグや覚せい剤に手を出しているらしい。…捕まるのもきっと時間の問題だ。
/678ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1160人が本棚に入れています
本棚に追加