†1st story†

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その後 落ち着いたので制服に着替えた。     彼からの応答が全くない。 余程ショックだったのだろう。     僕はいつも 頭の中だけに聞こえる彼のセリフを声にしていて   自分の言葉は発さないので   彼が何も言わないと人と会話が出来ない。   つまり彼がすねると少々困る。           ――いくらか客が入ってきた頃   ブツブツと彼の声が聞こえてきた。       「くっそぉ……詐欺だ……っ  ママまで男かよ」   「もー出よーよこんなトコ。  つまんないしさぁ」     僕は呆れた。     ―やんなきゃ箱の情報貰えない よ。   ―僕は“クロノスの箱”を探す のを協力してるだけだから   ―君がもういいならいいけど。     彼は黙り込んだ。 またすねたらしい。     ……“クロノスの箱”というのは少し語弊があるかな。     箱は “クロノスのモノ” だから探している訳じゃない。       なんで探しているのかというと         箱の中身が……………     
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