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(ここ、あんま客入って来ねぇ な。
ん~……やっぱそんなもんだ よな。男だし)
彼が急に復活したので
びっくりしてつい、そのままその言葉を
声に出してしまった。
意外にもその人は勢い良く食いついてきた。
「そうなの!
私が入るまではとても人気の あったお店なのに」
“ん~……”から後は頭の中で削除したらしい。
「だから客が減ったのは私のせ いだって、
先輩方に店をでてけって
責めたてらてるんだ。
ママも、前まではかばって くれたのに
前バーテンダーの方が辞めて からは……」
その人は
最初、ため息をついた時と同じく
思いつめた顔をして言う。
図体はでかいが
その姿は女性にしか
見えなかった。
一呼吸おいて
僕は新しく作ってみた酒を
‘彼女’の前に置いた。
「これ、私に?」
目をパチクリさせながら彼女は質問してきた。
僕は彼の言葉を待つ。
(……君のお酒だよ)
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