†1st story†

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    ―――了解。     彼の命令に答え   箱に手をのばす。             《その内一人の神とは  彼、クロノスの事だった》       箱に僕の指が触れた瞬間       音もなく   一瞬で       箱は、木片と化した。           《封印された時    彼の身体は消滅した》     《封印されたのは   消滅しなかった―――》       《――彼の精神、能力、力        だったのだ》        その光景をみていた彼女は あっという間に箱が壊れたのに驚き、呆然としている。     「何しても傷つける事すら出来 なかったのに  あなた一体………」      僕も彼も、彼女がそう言ったのを聞き流す程   木片と化した箱に 集中していた。       しかし、やはり 僕らに変化がない。     今回の箱もまたカラ……   (……フェイクか……っ)     彼は憎たらしそうに吐き捨てた。
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