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―――了解。
彼の命令に答え
箱に手をのばす。
《その内一人の神とは
彼、クロノスの事だった》
箱に僕の指が触れた瞬間
音もなく
一瞬で
箱は、木片と化した。
《封印された時
彼の身体は消滅した》
《封印されたのは
消滅しなかった―――》
《――彼の精神、能力、力
だったのだ》
その光景をみていた彼女は
あっという間に箱が壊れたのに驚き、呆然としている。
「何しても傷つける事すら出来 なかったのに
あなた一体………」
僕も彼も、彼女がそう言ったのを聞き流す程
木片と化した箱に
集中していた。
しかし、やはり
僕らに変化がない。
今回の箱もまたカラ……
(……フェイクか……っ)
彼は憎たらしそうに吐き捨てた。
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