†1st story†

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 ふと周りを見渡すと 彼女のパニックで 店内は騒然としている。      僕と彼女を叱ろうとママが近づいてきた時     僕が入ってきた客用のドアから 雪崩れ込むように 人が入ってきた。     店中が驚きの嵐だ。      そんな中 ママは驚きながらもそのままこちらへやってきた。     「今日の仕事は  おしまいでいいわよ」      気づくと 前バーテンダーの人が 大量の客に混じって戻ってきていたらしい   ママはそのバーテンダーを 優しい瞳で見つめてから     「彼が戻ってきてくれたから」   そう言い 僕に今日分の給料をくれる。      その隣から とても強い視線を浴びせてくる彼女は まだ疑問を拭いきれないようだったが   僕はスタッフルームへ向かった。       着替えている間   彼は       彼女の問いに     いや、   僕…自分自身に     言い聞かせるように繰り返す。          (お前が箱を壊せるのも)    (箱が存在しているのも)             (俺が      俺こそが      世界に存在すべき             “神”                だからだ)                           彼は        5人の神を憎んでいる。
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