†2ed story†

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   「………………」     少年の手には 僕の財布が握られていた。       「あー……  見逃してっ  見逃しやがれ!    どうせあんた旅人だから  大して金持ってねぇだろ?!」     ――――――ムカ        必死に逃げようと暴れている少年のひたいを 軽く叩いて、 僕は一息ついた。       (どうすんだ?)     一応彼が聞いてきた。       ―警察に連れて行く。     (ちょ~っとやり過ぎな気す っけど  仕方ねぇか)      彼は少々、少年に同情しながらも セリフを言う。       「警察に行くよ」      それを聞き取った少年はさらにジタバタして 反論した。       「そんな!  ひでぇよ!  俺は一日三食食うのが精一杯 の生活してんだぞ?!    俺が捕まったら妹と弟は食う モノなくて死んじまうっ!」      僕はその話を嘘だと思ったが   彼は何か思う所があったのか     尋ねる。             「お前、親は?」            どきっとした。     声に出すのが少し遅れる。   僕に向けての一言かと思ったのだ。 そんなはずはないのに……     なぜなら、初めて彼が入り込んできた時に その質問はされているのだから。     僕は首を振るだけで答えられなかったけれど。    
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