†2ed story†

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 しかし、僕と違って スリの少年はあっさりと答える。     「いるよ。  この先に料理店やってるんだ けど    二週間前からお客さんが一人 も来なくなって困ってるんだ 」     少年は少し考えて 何気なく言った。     「そういえば……お客さんが来 なくなったのは  あの『箱』を買ってからだよ な……」       「なんだって?!」        彼も僕も驚いて叫ぶ。 スリの少年はそんな僕に驚いている。       「その箱は“何をしても壊れな い”か?!」      僕がゆさゆさとスリの少年をシェイクしながら 彼が聞く。       「う……うん  “何をしても壊れない珍しい 箱”って父さんが    旅人さんから買ったんだ。    つか、ゆするのやめろよっ目 が回る!」      僕はようやく少年を離すのを見計らって 彼は僕に言った。       (な?  本当に集まってくるだろ?  俺も半信半疑だったけど)     ―クロノスはいつも  最後が余計。
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