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あくる朝、僕は彼の言う通り役所へ向かった。
“役所”は
いわば旅人の駆け込みどころで
その町の地図を見せてくれるなど、案内の傍らその町での一回から長期の仕事を
紹介してくれたりする。
役所の扉を開けると
受付の女性に凝視された。
整った幼い顔と、小汚ない服装とのギャップに
やや僕を不審がっているようだ。
気にせず近づき、頭に響く彼の声を音にする。
「綺麗なお姉さん」
(勿論、お世辞だ)
「なんかいい仕事ないかなぁ?
俺、クロノスっていうんだけ ど」
まだ少し睨まれた気がしたが
女性はバン!と粗っぽく書類を机に置いた。
「どんなお仕事でも
宜しいのですね?」
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