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教会の近くでは数人の子供がドッチボールをして遊んでいる。
獣族の子「リーク、ぼ~とするなよ。」
リークと呼ばれた少年はまだ7歳や8歳ぐらいに見え、茶髪で独特なサファイアブルーの瞳。
そんなリークは種族に関係なく遊んでいた。
リーク「なんか嫌な予感がする。」
エルフの子「そんなに魔力もおかしくないし、気のせいだよ。さぁ、遊ぼう。」
ハーフエルフの子「うん、こんなに天気もいいし。女の子だって遊んでるんだよ。」
リーク「うん……、そう…冷たい。」
リークに向かい一粒の液体がかかった。
リーク(雨かな……、赤い?)
血のように赤い液体だった。
半獣「なんか、降ってきた。雨かな?」
赤い液体が雨のように降り始めた。子供達は珍しがって赤い雨の中で遊んで、大人達はどうしていいのか考えている。
リークは体が震え、心の底から溢れでる嫌な感情を抑えていた。
リーク(エルフなんて魔法以外はなにもないくせに、獣族なんて力だけのくせに。違う、みんなは友達だ。違う違う違う。)
リークは感情を抑えていると子供達は種族ごとにケンカを始めている。
リーク「やめろ、ケンカなんてダメだよ。」
半獣「うるさい。邪魔だ。人間のくせに生意気なんだよ。」
リーク「嫌だよ。僕らは友達じゃないか。」
ハーフエルフの子「私は人間なんて友達だと考えた事はない。」
リーク「チェリィー。」
チェリィーはショートカットの朱色の目の女の子だった。
それまでは仲良くしていたのに雨に濡れた瞬間からおかしくなった。
リーク「嫌だ、嫌だ嫌だ。」
リークの体から優しさを感じる光が溢れて、リークを中心に広がって行った。リークはそのまま意識を失った。
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