~過去・Ⅰ~

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痛い所を突かれ、玲子は言葉に詰まった。 「あ…もうこんな時間」 捺が急にそんな事を言った。玲子も自分の時計を見た。自分が思ってたより多くの時間が過ぎていた。 「じゃあ私はこれで」 「…うん。じゃあ」 捺が玲子に背を向け、歩き出し…数歩進みまたその背中が振り返った。 「私の名前言ってなかったよね…私は…」 「私と同じクラスの本庄捺…でしょ」 捺の言葉を玲子は奪い取った。玲子の言葉に捺は目を見開いたが最後は笑った。
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