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「初めまして。ここの学園長を勤める天宮優子-アマミヤ ユウコ-と言います。」
真っ直ぐな目で話す学園長。
和(苦手かも……)
目を見て話す人…。優しそうな瞳だが、全てを見透かしているような気がした。
和「御神和嗄です」
ペコっと頭を下げた。
天「よろしくね和嗄ちゃん」
和「!」
間・樋「「ちゃん?」」
和「よく分かりましたね?俺が女だって。この2人は全く気付きませんでしたよ」
チラッと横目で見ると驚いた顔で固まっていた。
天「あら、そうなの!?」
和「はい」
樋「和嗄くんが女の子…………」
間「てっきり男だと………」
ブツブツ言っているオッサンとオカマを無視して俺は学園長に尋ねた。
和「…何故俺をこの学園に?」
天「まぁそこにおかけなさい」
ソファーを指し、紅茶とお菓子を出してくれた。
和「あ…ありがとうございます」
天「いいのよ気にしないで」
ニコッと笑いながら学園長が座るのを見て俺も腰を下ろす。
天「さて本題に入りましょうか」
言葉と同時に目が変わった
天「私がこの学園に貴女を推薦で編入させたのはいくつか理由があるの」
和「理由?」
天「私と雲雀は親友で仲間で
良きライバルだったわ……その娘に是非会いたかったの」
懐かしそうな顔でどこか遠くを見るような目をして話し始めた。
天「貴女のご両親は魔力が高くて有名な魔術師なの。だからきっと貴女にも受け継がれてると思ったの。魔力の高さと心の強さー…そして才能が」
和「貴女は父の事を知ってるんですか?」
天「ええ、もちろんよ。貴女も
知ってるでしょう?」
和「……知らないんです。母さんはその事については死ぬ時にも教えてくれませんでした。」
天「そう…きっと雲雀にも考えがあるのね。時が経てば真実が分かるわ…私からは何も言えないけれど、貴女のお父様は生きているわ」
『お父様は生きているわ』
その言葉に安心感を覚えた。
でも同時に怒りと悲しみが心の中に芽生えた。
母と子供を捨てて、逃げた顔も名前も知らないヒト。
挙句の果てに母さんの葬式にも来なかった薄情者。
でも母さんは…泣き言も愚痴も言わずに女手一つで育ててくれた。恨みもせず笑ってた。
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