第二章 世界の常識

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 夜が明けようとしている頃に、ようやく旬とフルーンは街を見つけ街の手間で小休止を取っていた。 「なあ?俺の格好、変じゃないかな?何て言うか、こんな服見たことないとか」  旬は数キロ先の街を見つめながら傍らのフルーンに訊ねる。 「変でし。それに泥でばっちいでしよ。ついでに顔ももう少し格好良かったら………」  フルーンは街道に生えている花をいじりながらトゲトゲしく言う。 「おいおい何で怒ってんだよ、道を間違えたのはお前だろ? 観ろよ。夜が明けてるぜ? 夜通し歩いたせいで疲れ………」  言っている途中で止める、フルーンが泣きそうになってるから。 「解った俺が悪かった……って言うと思ったか? 嘘泣きだろ、バレバレなんだよ」  徹夜疲れのイライラで、つい辛く当たってしまう。  案の定フルーンはポロポロと泣いてしまった。 「悪かったよ。ほら泣いてないで俺の服装とかで変な所を指摘してくれよ」 「…………」  しかしフルーンは涙をゴシゴシと右腕で拭き、黙って街に歩き始めた。 「お、おい。待てよ、謝ったろ?何を怒って」 フルーンは振り向いて、体に捲いてある厚手のカーテンを旬に投げつける。 「お、おい!」  頭に掛かって視界を遮られてしまい、慌てて布を取ろうともがく。  なんなく布を取ると、目の前に居たフルーンは体をオコジョに戻して街の方へと走っていた。  旬は追い掛けようと思ったが、いかんせん足が違う。フルーンは、どんどんと街に近付いて行った。 「なんなんだよ」  旬は手にした布を握りしめ呟いた。
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