chapter.1

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俺の名前は和泉晶(いずみあきら)。 どこにでもいる一介の高校生だ。 背はやや高めで細身。 平凡であまり特徴のない顔をしていて目立たない方だ。 だが1つだけ俺を目立たせているものがある。 高校に入学した時に染めた真っ赤な髪。 別に不良という訳じゃない。 俺が入った高校は校則が緩かったからなんとなく染めただけだ。 こんなものを個性と言う気はないが他人と違うものがほしかったのは事実だ。 こんな小さな町に埋もれるのは嫌だ。 俺が住んでいる如月市は東京から車で約一時間程の所にある。 都会ではないが田舎とも言い難い中途半端な町だ。 中心部まで行けば大抵のものは手にはいる。 だがベッドタウンである為かどことなくあか抜けない感じがする。 それが如月市だ。 俺は生まれてから16年間ずっとこの如月市に住んでいる。 高校を卒業したら東京に出るのが夢だ。 まあ何をしたいかが決まっている訳じゃないけど。 正確には何かしたいことを見つける為に東京に行きたい。 その為に日々の勉強は欠かさずやっているしお金だって貯めている。 こんな髪をしているが成績はなかなかいいのだ。 今も参考書を買うために近所の本屋に向かっている。 ・・ゴト。
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