chapter.1

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警察に捜索願いを出したが未だに行方不明が続いている。 そんな親父から依頼とはどういうことだ? 「いや、うちの親父は2年前に失踪したまま行方不明なんだけど?」 俺は当然の疑問を目の前の怪しすぎる女にぶつけてみた。 たぶん同い年くらいだろう、目鼻立ちは非常に整っていて充分に可愛いと言える部類に入るだろう。 まだあどけなさの残る顔に栗色の髪がよく映えている。 ただ服装が異様すぎた。 ゲームに出てくる魔法使いのような三角帽子にローブ。 上から下まで真っ黒だ。 さらに身体中至るところに鎖が巻き付いていて、動くたびにじゃらじゃらという音が鳴っている。 そしてさらに異様な答えが返ってきた。 「晶君のお父さんは今私たちの国にいるよ。ザルタハール大陸の北にあるバルエルっていう国だね☆」 だね☆じゃない。 ザルタハール?バルエル?聞いたことすらない。 ちょっと危ない娘なのかもしれない・・。 「そんな大陸も国も聞いたことないんだけど・・?」 「この世界にはないよ~。私たちの世界“レファータ”にある国だよ♪」 ・・・。 ちょっと目眩がしてきた。 話が飛躍しすぎていてついていけない。 「なんで不思議そうな顔してるの??」 能天気にもそんなことを言ってきやがった。 「申し訳ないけど何を言ってるか全然わからないんだけど・・」
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