chapter.1

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一瞬の浮遊感を経て俺の足が地面を捉えた。 目を開けるとそこは森の中だった。 森と言っても俺が立っている道はしっかり舗装されているし、そこまで木々が繁っていないので十分明るい。 ただし周りの木は見たこともない形の葉をつけているし、空を見渡してもあるべき太陽が見当たらない。 何よりさっきまで俺の腕をつかんでいた女がいなくなっている。 つい先ほどまでは住み慣れた町中にいたはずなのに気が付いたら森の中だ。 目まぐるしく変わる状況に頭がついてこない。 完全に混乱してしまっている。 ガサッ・・ ふいに道沿いの茂みから音がした。 「なんだ!?」 あの女か? 聞きたいことは山ほどある。 ここはどこなのか。 なぜ俺をここに連れてきたのか。 何よりこんな訳のわからない場所に1人でいるのは若干心細い・・。 変な女に会って、光に包まれて、気が付いたら知らない場所にいた。 この状況で不安を感じない人間などいないだろう。 少なくとも俺は不安だ。 音がした茂みに近づいていく・・・ 黄色いドロっとしたものが茂みの中から出てきた。 「うわっ!」 俺は慌てて飛びすさった。 黄色いゲルの中で目玉が2つ場所を定めず漂っている。 正直かなり不気味だ。
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