今のはじまり

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何があるわけでもなくただ歩いていた。 いつもと同じ様に通いなれた大学までの道だった。話たことはないけど、知ってる人や、今日、初めてみる人等様々だ。相手もそう思っているのだろう。気にしてはいない様だった。 そんな中を青年は本を片手に歩いていた。信号や人には気付いているらしいが、周りから見ればかなり危なく見えた。だが止める人はいない。ただただ自分の事だけだった。 「おはよう。誠君」 その声で青年こと真島誠は顔をあげた。そこには雑誌とかで清純派とかで特集されそうなタイプの子が立っていた。 「おはよう。結香」 周りの人の多さ故か少々ぎこちない顔の彼女に、漸く誠は本を閉じた。
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