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バケツの容器一杯の水をちゃぷちゃぷ零しながら急いで母さんの元へ向かう。
「ゴメン、母さん。ぼーっとしちゃって…。」
「何してんだい。」
頬を殴られる。
もう慣れている。痛くはない。この拳に愛を感じない。もう、どうでもいい事だ。
「早く来な!!」
家のドアを開け、ずんずんと入っていく。
「…ゴメン。」
そう呟き、大きな母の背中を見つめながらついていく。
「ちょっと、アナタ?今日この子が…!!!」
母さんが父さんに話す。
僕はうつむきながら父の正面に座り、スプーンでスープをすする。
「はぁ…。」
父は僕のむなぐらを掴み、家の外に投げだし。僕がくんできたバケツの水を僕にかけて腕を力いっぱい引っ張り僕を倉庫に閉じ込めた。
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