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始まりは一言だった。
「おいおい!!聞いたか?俺たち下界に行けるってよ。」
同じこの世界で暮らしてるハルが慌ててやって来た。
「あー?・・・下界?」
俺は下界がどこだか知らなかった。
たびたび話に聞いてたけど、詳しくは知らなかった。
「スバル知らなかったの?」
ハルが驚いている。
「うん。まだ来て1年だし。」
「そっかそっか。あのね?下界ってのは、簡単に言うなら俺たちが生前にいた世界の事なんだ。」
ハルは嬉しそうに俺の周りを行ったり来たりしながら話した。
「なんでそこに俺たちが行けるんだよ?」
俺は間髪入れずに聞く。
「ほら俺たち、みんなと違って羽の色が特殊だろ?なんか生きてた頃になんかしてたみたいでそのご褒美?みたいな事言ってた。」
「誰が?」
「門番の人。」
門番の人とは、この世界と違う世界を繋ぐ場所にいる人の事を言って、言うならば偉い人なんだけど
俺達の生活とかを監視してるのもその機関の人たちらしい。
俺達の羽は確かに特殊な色をしている。
変わってるって気づいたのは羽が生えてすぐだった。
俺以外の他の人達はみんな一般的に羽の色が白い。それに対して俺は黒かった。
色が違うから、同じ年のハルとはすぐに打ち解けた。
ハルの羽は銀色をしていた。
「だからさスバル!!!下界に行こうよ!俺また見てみたいんだ。久しぶりにさ。」
ハルはもうここに来て3年目らしい。
生きていた頃の話はよくしていた。
毎日する事なんて何にもなかったから、お互いに話はよくした。
「ハルが行くなら行こうかな。俺も行きたい場所あるし。」
ハルは目を輝かせていた。
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