始まり

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「だ、大丈夫・・・です・・・か?」 誰かの声がして俺は目を開けた。 視界がぼやける。 頭の中はハテナマーク。 だ、誰かな? 「・・・ん?」 俺は目をこする。 あ、 手が濡れた。 知らないうちに泣いてたんだ。 「あ・・・俺、すみません。」 意味不明な発言をする自分。 だんだん視界がはっきりしてきたのと同時に、俺は言葉を失った。 そんな 嘘だろ? 「由那・・・っ!」 思わず抱きしめた。 彼女がビクッとするのが分かったけど余計に力を入れた。 ごめん・・・。 少しだけ・・・・。 「あ、あの・・・ちょっ」 「由那・・・!」 「なんで・・・名前・・・」 「・・・覚えてないんだね。それもそうか。」自然と笑みがこぼれる。 こんなに近くにいるなんて。 覚えてなくても構わない。 由那は 俺の大切な人なんだ。
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