始まり

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それから少しして、息苦しそうに由那が言う。 「あ・・・あの、苦しいです。」 少し赤らんだ頬。 俺の胸につけたためらう手。 俺ははっとして腕を放した。 「ご、ごめん!」 「いえ・・・。」 微かに由那が微笑む。 それだけで俺もにやけたように笑えてくる。 「あの・・・」 ふいに話しかけられて ビクッとなる自分。 あぁ。 本当に今、由那と話してるんだって実感する。 「ん?」 やばい。 声がちょっと裏返った。 「なんで名前・・・知ってるんですか?」 「俺・・・。分からないよなー。・・・昴だよ。」 彼女 由那が 止まるのが分かる。 驚きを隠せてない由那に 俺は 囁くようにして言う。 .
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