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「覚えてる…?」
由那と目が合う。
「この公園で…」
少し震える君。
「…一緒に見た夕日。」
ビクッとなる。
「…一緒に泣いた、映画の後。」
涙が目に浮かぶのが分かる。
「…初めての…キス。」
君の頬に、涙が流れる…。
そんな君を写せなくなる位に視界がぼやけて初めて、自分もまたこぼれる涙に気付く。
君を泣かせなくは無いのに
君を忘れるつもりだったのに
どの位君を
苦しめたのか
どの位君を
愛しているか
また気付く。
細くなる君の目を
震える君の肩を
流れる涙を
見てはいられなくなって
抱きしめた。
気付けば夕方になっていた。
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