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ここは小さな町。
都会と比べると、高層ビルもなくデパートだって2つしかないところだ。この町には施設があり、親を亡くした子供たちが生活している。
このお話の主人公は僕。施設に入って5年になる、天袮淕(あまねりく)。来年小学4年生。
毎年X'masはひとり。他の子にはお母さんかお父さんがいるから、プレゼントをもらってた。僕はひとりそれを見てるだけ。
唯一楽しみなのは、X'masケーキをおすそ分けしてもらえることかな。去年はチョコケーキ、一昨年はブッシュドノエルを食べさせてもらった。両親のいない僕にとって、ケーキはご馳走だ。
今年のX'masも去年と同じように過ごすんだろうな。
施設長が気をつかってくれて、X'masに家に来ないかって誘ってくれたけど…家族水入らずのX'masを邪魔するほどの野暮な男じゃないぜ!
強がってみたけど…やっぱり寂しいよ…母さん…父さん…
どうして僕を置いて死んでしまったの?
星空に問い掛けても、答えは返ってこなかった。
わかってるそれくらい…
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