森の奥

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月明かりしか無い夜。 2人はパンを携帯して家をこっそり出ました。 「奥にどうやってたどり着くのか、知っているよ」 ヘンゼルがクスリと笑って言いました。 「たどり着いた何人かは道が分かってたんだ、なにか目印が有るだろうと思ってね」 ヘンゼルが指した樹木にはロープが張ってありました。 「何日かおきに張ってあるんだ…怪しいだろう?これが道案内してくれるんだよ」 「でも…」 「…やはり怖いかい…?」 「いく…」 兄と離れるのが不安なグレーテルは、ついて行く事に決めました。 ロープは木から木へと伸ばされ、それは2人を森の最奥へと導いていくようでした。
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