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見覚えのある姿がそこにはありました。
『父さん…』
ヘンゼルが真っ直ぐな瞳で見つめています。
グレーテルは何故か良い予感がしないので、直視する気になれません。
父親は小屋の扉を乱暴に叩きます。
すると少しして扉がゆっくり開きました。そこからは魔女が顔を覗かせたわけでもなく、1人の男が顔を覗かせていました。
はっとしたグレーテルがヘンゼルの服の裾を握りしめ、震えています。
ヘンゼルが「しっ」とグレーテルを支えました。
扉から覗いた顔は、酒屋の主人でした。
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