希望の無い毎日をただ惰性で生きている。

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俺は今、32歳。 独身。 フリーターだ。 主な収入源は、週に二度のバイトと、ジャグラーだ。 因みに彼女はいない。 つーか、特定の彼女がいない。 昔、本気で好きになった娘はいたが、今の自分の収入では、彼女に惨めな想いをさせてしまうので、自分から身を引いたんだ・・・ そうやって、いつも自分自身に嘘を付き続けて、はや32年。 秋田のハローワーク管内での求人倍率は、約60%。 内、国家資格などの無い自分のような人間は30%弱と云う辛い現実を目の当たりにして、職安の隣のパチンコ屋のブルーリボンに、今日もジャグラーを打ちに行く。 俺の台選びは、基本レギュラーに偏った台を選ぶんだ。 しかし、今日もブルリは求職者で溢れかえっている・・・ 因みに、ジャグラーのシマは2つ。 しかし、空いている台は数台しかない・・・ 今日は、だめか・・・ と、その時、スーツを着たサラリーマン風の男性がおもむろに声をかけて来た。 『これ、やりませんか?』 B3、R12、総回転数994回、34Gヤメ☆ なんて素晴らしい台! あ、ありがとう・・・ 普段、会話をし慣れていないせいか、直ぐにドモる。 直ぐに赤面する。 その、北村一輝似の男性は、ニヒルな笑顔を浮かべ無言で去って行った・・・ まるで、医龍2のエンディングのように。 上唇の形がヒジョーにセクシーだ。 さぁ、今日もコイツで稼がせて貰うぞ! ホール内をうろついて集めた8枚のメダルに魂を込めて、勢い良くホッパーに手を掛けた。 神様・・・ 御願い致します・・・ ガシャ! 自分はもっぱら逆押しだ。 昔から逆押しだ。 人と同じ事をするのがキライだ。 つまり、天の邪鬼だ。 でも、4号機の猪木自身だけは、ちゃんと順押しした。 でも今は5号機だ。 ジャグラーだ。 どうでもいい。 今はただ、早く自立した生活をして、親に迷惑をかけない生活をする為だけに、ジャグラーを打っている。 本当は弁護士になりたかった・・・ 本当に困っている人の為に、お金の為でなく、命を張った仕事がしてみたい。 早く、人の役にタチタイ! 工業高校中退だけど。 車の免許しか無いけど。 そんな事を考えながら、僕は逆押しをするんだ。 明日と云う希望に向かって、逆押しをするんだ。(クドイ)
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