第3章【走馬灯】

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なんとなくはわかった。しかし飛んでいった矢は間違いなく地面へ落ちるじゃないか。こんなひねくれた説…間違ってるって俺にだってわかる。 『…ヒヒヒ…そのとおり。現実世界においてこのようなことは起こらない。矢を射た瞬間に矢が止まるなんてことはあり得ません…フヒヒ…』 走馬灯の不気味な笑い声は僕を少しイライラさせていた。 『…ヒヒヒ…しかしそれは物質世界でのことです…』 どうゆうことだ? 『私が飛ぶ矢のパラドクスの話をしたとき、あなたの脳内では矢は止まりませんでした?…ヒヒヒ…』 確かに…確かに僕の脳内では無数の点を通過する矢はぴったりと止まっていた。 『そこなんです。物質世界では矢は落ちる。しかし脳世界では矢は止まるんですよ…ヒヒヒ…。不思議な話でしょぅ』 なるほど、…って飛ぶ矢の話は理解できた(無理やり理解しただけだったが)。しかし、走馬灯とはなんの関係があるとゆうのだ。
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