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眩しくて目が開けられない。箱から発せられた光はそうとうのものであったらしぃ。そんな状態が数秒続くと段々と目が慣れてきた。
ゆっくりと目を開けると、眼前に広がったのは南禅高校のグラウンドだった。
高校…まだ五年前のことだ、はっきりと覚えている。高校はある一つの事件から始まった。
『今日は入学式ですね。おめでとう。今日は話したいことがあるんです。午後五時、あの場所で待ってます。』
こんなメールが届いたのだ。送り主は不明。メールアドレスからも誰が送り主かを推測することは不可能だった。だからこそ、『あの場所』なんて見当もつかなかった。
そのあとも二度ほど無言電話があり…『ア…ン…』などと言っては向こうから電話を切った。気持ち悪く思った僕は、あまり仲良くはなかったが、中学から同じ学校の琴実に相談することにした。
『簡単なことよ、そんなの着信拒否にすればいいじゃない。』
そう言って琴実が僕の携帯を取り上げた。
『多分ここをこうすると…』
ピピピ…
琴実が携帯を触っていると突然電話がかかってきた。アイツからだ。
琴実はフッと笑うと電話に出た。
『…』
相手は無言だった。
『あのー、あなたは健次のなんなんですか?もぅこんな電話やめてください!!…もしかして健次のストーカー?健次には私とゆう人がいるんです、もぅ止めてください!!』
健次も一言…と琴実は言って携帯を渡した。
『誰だかわからないけど…迷惑なんだよっ!!もぅやめてくれないか。二度と俺に連絡しないでくれ』
そうゆうと、電話は切れた。
『ありがとう、琴実』
『こんなの序の口よ!!』
『あのさ…琴実、あの電話のことだけど…』
『なに?』
『健次には私がいるってやつ…』
そう言った瞬間琴実は頬を赤らめて言った。
『そ、そうすればストーカーって簡単に片付くのよっ。彼女がいるって知ったら諦めるでしょ?』
『あぁ、ありがとうな。琴実』
『ど、どういたしまして…』
それが、僕と琴実の始まりだった。
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