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『ごめん…』
途中で声に出したのは僕の方だった。なぜならいつになっても僕のペニスが全く機能しなかったからだ。
『大丈夫よ、きっと疲れてるのよ』
琴実はそうフォローしたが、僕はただうつむいて謝ることしかできなかった。
『どうしてそんなに謝るの?ゆっくり慣れていけばいいのよ』
『違うんだ…』
『なにが違うの?』
『ごめん…』
僕はそれしか言えないようになっていた。それに、本当のことなんてそれこそ言えなかった。
目に涙を浮かべた琴実は服をきて家を出ていった。
僕は部屋に一人残された。微かに香る彼女の残り香が、今更僕のペニスは勃起させていた。
翌日、学校には琴実は現れず、このまま僕と彼女が会話することはなかった。
僕の高校最初の恋は、たったの4ヶ月で終わりを告げた。はたしてこれが、恋と呼べたのかはわからないのだけれど…。
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