第1章【通過するはずの1日】

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遅刻の代償は今日の昼飯を奢るとゆうことで片が付いた。たにせ急ぐことは何もない、ただお小言を長々と聞かされるだけなんだから。 予想通り会場の七海市役所では式は始まっていた。チケット代わりのハガキを受付に見せると、受付の女性は僕らを不振そうな目で眺めた。 会場内に入ると、これまた全てが予想通りだった。会場は見事に雑談の嵐、誰1人として教育委員の言葉などに耳を傾けてはいなかった。僕らは一番後ろの座席に座り、その様子をずっと眺めていた。 懐かしい面々が顔を揃えていた。 『勇気、あそこに柔道部の村田がいるぞっ!!アイツ変わってないな~。ぉ、あの子なかなか可愛いな!!』 『あれはC組の西村だよ。』 『嘘だろっ!?あいつ…地味で本ばっか読んでたやつじゃん!!』 僕らはそんな会話を延々と繰り返した。そこには僕らと同じ部活だった奴も沢山いた(とゆうのも、僕らは共にサッカー部だった)。しかし、奴らはおもいっきり垢抜けた…と言うのか、ヤクザのような格好をしていたので僕らは話しかけるのをやめた。いわゆるニュースでみる暴走予備軍のようであった。彼らはカラフルな羽織袴を着ているものだから、戦隊ヒーローのように見えてきた。隣の勇気に話すと笑っていた。 『そういえば夏希はいないかな?』 そう僕が言うと、 『今日は来れないんだよ。しらなかったのか?俺らが高校1年の頃かな、交通事故でね、相手は居眠り運転だったそうだ。そうか、お前は夏希と付き合ってたから知ってるものと思ってたよ。』 『そだったのか、知らなかった。夏希と別れたのは中2の話だからな、それからあんまり接触がなかったんだよ』 その話と同時に、式は終わった。
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