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式が終わると、時刻は1時をまわっていた。
『腹へったな、なんか食いにいくか。今朝は悪いことしたしな!!』
僕は言うと、
『おし、じゃぁ寿司か焼き肉な!!』
僕がひきつった顔をすると、勇気は僕の顔をみて笑った。
『お前な、実家通いの大学生も貧乏なんだよっ』
からかう勇気に真に受ける俺。当時となんら変わりなかった。勇気は、マックでいいよ、と言った。
『そういえば…大学生やってるって言ったな、お前。』勇気が言った。
『今更かよ!!そういえば言ってなかったな、江戸橋大学で法律の勉強してる。いつかは弁護士かなーなんて。』
『江戸橋大って…行列のできるなんたらにでてる工藤弁護士がでてるとこだろ?頭いいんだなー。中学生んときは俺の方がよかったのにな。』
『んなことないよ、浪人してるしな。それに弁護士は嘘だ。法律なんて俺にはさっぱりだよ。そういえば、勇気は?』
『俺か、俺も大学生やってるよ。金田大学、文学部だ。』
『文学部かー、勇気はよく本読んでたもんな!!』
『うん。ロシア文学にハマっちゃってな。「罪と罰」とか「カラマーゾフの兄弟」とかな。よかったら貸すよ』
『い、いいよ、俺そうゆうの苦手だからさっ、それよりはやく飯いこうぜっ』
二人は話の絶えぬまま、マクドナルドへ向かった。
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