第1章【通過するはずの1日】

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マックに行っても二人の話は尽きなかった。気が付くと外は真っ暗になり、同窓会の待ち合わせ時間も過ぎていたほどだった。面倒くさくなった二人は、同窓会欠席の連絡をいれた。 『しょうがなぃなぁ…なら二人で飲むか!!』 勇気が言った。 『いいねぇ、どこにするか?』 『学校の屋上ってどうだ?よくあそこで昼休みに忍び込んで遊んでただろ?内緒で作ってたスペアキー、今日もってきたんだ!!』 あのときもそうだ、ニヤニヤした何かを企んでいる勇気は誰にもとめることができなかった。それに今回は名案でもあったために、僕は勇気に賛成し、学校に忍び込むことになった。 コンビニで一通りの酒とツマミを買った。普段なら学生証提示を求められるところなのだが、この格好を見てか、今日はすんなり買うことができた。 それをしっかりと鞄に詰め込むと、次に待ち受けたのは校門だった。スーツに革靴と言う格好はあまりにも侵入するには適さないものだ。しかし多少校門を登るのに苦労した以外はなにも問題はなかった。いや、この革靴は歩くにはコツコツと音が鳴りすぎた。二人は靴を鞄に押し込めると、忍のように階段を登っていった。
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