第1章【通過するはずの1日】

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無事屋上につくと、二人は酒を飲んだ。やはり二人の話は尽きなかった。 『そういえばさ、よくここでサッカーやったよな!!まだここに隠してあったボールあるかな?』 勇気はそう言って、なにやらガサゴソと探しだした。 『あった!!ちょっとワンバンやろうぜ!!』 ワンバンか、ワンバンとは浮いたボールを1バウンドさせてから相手に浮かせて返す、これを繰り返す遊びのことだ。このゲームは返し方が下手だった人にはポイントが課されていき、10ポイントになると罰ゲーム、とゆうのが俺らのやり方だった。夏希への告白もこの罰ゲームでやらされたものだった。罰ゲームとは言うもののウジウジしていた僕を勢いづけさせるために勇気が命じてくれたことなんだが。 そんなわけで酔っぱらった二人がワンバンを始めた。案の定、ふらつく二人はすぐにポイントが貯まった。罰ゲームは一気飲みだ。 さらに下手になってゆくワンバン。 勇気の蹴りあげたボールは高く、屋上を越えそうになった。 (これが外に出たら警備員にバレるかもしれないっ) 酔った頭にも理性はあるものだ。急いでボールを追いかけた。 フェンスギリギリで止まってくれそうだった。ボールはワンバンするとフェンスに当たり、ボールは止まった。僕は一息つき、ボールを拾い、フェンスに寄りかかった。 危なかった…と思ったそのときだった、 僕はなぜか宙を舞っていた。 フェンスと共に。
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