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『どんっ』
気が付くと僕は、チンピラにタックルをぶちかましていた。居酒屋で左足の人差し指を痛めたのがまずかった。
「イターッ! な、何やワレ! 何さらしてくれとるんじゃ、このボケナス!」
「い、いえ、何もさらしてくれておりませんごはっ! ちょっと体勢を崩してしまっただけでっぷし! もっと言えば、僕はボケでもナスでもなくただのタコであり……」
「ごちゃごちゃぬかすなっ!」
……。
僕の体は、今度こそ本当に宙を舞った。
左の頬が、焼けるように熱い。
どうやら僕は、チンピラに殴られたらしい。
脳の命令を聞かなくなった僕の体は、スローモーションで地面に叩きつけられた。
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