骨折5

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目が覚めると僕は、病院のベッドに寝かされていた。 体のあちこちが、包帯とギプスでグルグル巻きにされている。右足にいたっては、天井から垂れ下がった布に支えられて、ブラブラと宙に浮いていた。 「うう、気分が悪い」 全身の痛みのせいもあるが、それよりなにより二日酔いがひどい。脳が割れそうだ。 「だ、大丈夫ですか?」 女の子の声。 でも姿は見えない。二日酔いの幻聴か。 「あの、こっちです。こっち」 左の方から声がする。ギプスのせいで首が動かないので、僕は目だけで声を追った。 ……そこにいたのは、昨夜の女の子だった。 やっぱりかわいい。 バカみたいな感想が、頭の中に浮かんだ。 「昨日はありがとうございました」 女の子はペコリと頭を下げた。 「い、いや」 もっと気の利いた言葉を言え。僕は自分に怒った。
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