骨折5

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気まずい沈黙が流れる。 「あがっ!」 「ど、どうしたんですか?」 女の子は心配そうに、僕の体に手を触れた。包帯の上から、柔らかい感触が伝わってくる。 「あぐあっ!」 痛い。全身がくまなく痛い。 緊張のせいなのか、触れられた箇所を痛めているせいなのか、もはや僕には分からなかった。 「わ、悪いけど今日はもう帰ってくれないかな」 「は、はいっ! 長居してごめんなさいっ!」 先生に叱られた生徒のような返事をして、女の子はベッドから離れた。女の子の姿は、すぐに僕の視界から消えた。 カツカツと床を歩く音。 その音がピタリと止まった。 「また、お邪魔してもいいですか?」 僕の答えに選択肢はなかった。 「あぁ、喜んで」 再開した足音は、いつのまにかスキップに変わっていた。
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