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「どうした。殴らんのか」
「もう、いいんです。彼女の事は忘れました」
「そういう顔には見えんがね」
どこまで突っ掛かれば気が済むんだ。これ以上ここに居たら、気がおかしくなってしまう。僕は一刻も早くここを出ようとした。
「最後に一つ。どうしてもあの子を忘れられなかったら、相談に来なさい。いいカウンセラーを紹介しよう」
「ああ、そうですか」
返答をあいまいな言葉でごまかし、僕は病院を去った。
そしてその足でまず向かったのは、最寄りの公衆電話だった。
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