骨折2

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僕はまだ入社して一月も経たない新入社員だ。 今日は新人研修の成果報告の日。僕は会議室で、上司と一対一の面談をする事になった。 「入りたまえ」 「はいっいい!」 「どうした」 「いえ、何もながっ!」 まずいぞ。左の肩甲骨と恥骨がやられた。 「おかしな奴だ。さっさと始めたまえ」 「は、はい」 僕は左の肩甲骨と恥骨とその他色々な箇所の痛みを堪えながら、必死に成果の報告を続ける。 いちいち変な声を上げる僕を訝しげな目で見ながらも、上司は最後まで報告を聞いた。 「以上で報告を終わらせていただきます」 「今のが報告だと?」 「は?」 「あんなものが報告と言えるかね。途中で『はがっ』とか『むごっ』とか言っていたが、あれは何だね」 「これは病気……いや、体質でして」 僕は弁明した。 「どっちでも構わんが、そんな事では困る。新人だからといって、甘やかすつもりはない。報告は、後日もう一度やり直したまえ」 「そ、そんなっぷ!」 僕は、それ以上は大した反論をしなかった。 上司の言い分はもっともだと思ったからだ。 でも怒りだけは心の中をグルグルと渦巻いていて、その日の帰路は鉄のように体が重くてしかたがなかった。
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