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ごめんね…ごめんね…
あたしがもっとちゃんと見ててあげれば良かった…
あたしはこんもりとふくらんだ土のところに花を置く。
ここは学校の校庭のすみ。
小さな森のようになっていて、いろんな動物の死体が埋まってる。
奥に行くと昼でも薄暗くて怖い場所。
でも…あたしにとっては凄く大切な場所…。
ついこの間、学校で飼ってるうさぎの赤ちゃんが死んだ。
小さい小さい子だった。
みんなにいじめられて死んだみたいだった。
あたしが…助けてあげたかった。
みんなが気持ち悪いって言う死体は、あたしがここに埋めた。
今日は、そこにお花を供えにきたの。
道端に咲いてたのだけど、きれいだったから。
根っこごと引き抜いてきて、ここに植え替えようとしてた。
あたしが学校を卒業しちゃっても、お花がずっと咲いててくれたら。
寂しくないよね…?
「ん~、優しい子やなぁ」
「ひやっ!?」
後ろから聞こえてきた声に、あたしは慌てて振り返った。
いたのは大人の男の人。にこにこしながらうちわで顔をあおいでる。
「こんな暑い時にお墓参りか~。感心感心」
そのままあたしの方に歩いてくる男の人を見て、あたしは思わず後退った。
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