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ある日、目が覚めると、体は氷のように冷たく、指すら動かせない。
(……金縛り?)
初めての金縛りだった。
だが、なぜか恐怖はなかった。
(こんなもんなのかな…?)
そう思った時に目の前に何かがいる事に気が付いた。
なにかは分からない。
黒いもやのかかった、人のようなもの。
……人!?
人だ!!
よく見ると目がある。そしてその目はこっちを見ている。
その瞬間恐怖が込み上げてきた。
体は震えようにもピクリとも動かない。
気付けば声も出せなかった。
俺は何もできない恐怖から逃げ出したい一心で目をつむり、消えろ!!と、頭の中で叫び続けた。
昔、そうすればいいと聞いた事があったからだ。
それから、どれくらいの時間が経ったか分からなかった。
金縛りはもう消えていて、外は目が開けられないほど明るかった。
「……朝?………夢だったのか?」
そう思った途端首筋に微かな痛みが走った。
恐る恐る鏡を覗き込むと……
そこには手形がしっかりと写し出されていた!!
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